フルタイム母親が直面した不登校の現実と罪悪感
「学校に行きたくない」
ある朝、子どもが発したその一言で、フルタイムで働く母親としての私の世界は一変しました。
朝8時に家を出て、夕方まで職場にいる毎日。
子どもが不登校になったとき、真っ先に頭をよぎったのは強烈な罪悪感でした。

「私が家にいないからかもしれない」
「仕事を辞めるべきなのかもしれない」
そんな思いが頭の中を駆け巡り、毎晩眠れない日々が続きました。
子どもの不登校をきっかけに、「仕事を辞めるべきなのか」と悩む母親は少なくありません。
この記事では、不登校の子を持つフルタイム勤務の母親が、働きながら対応した実体験をお伝えします。
フルタイム母親が感じる3つの深刻な罪悪感一覧

時間的罪悪感「私が家にいないからこうなった」
フルタイム勤務の私は、朝7時に家を出て帰宅は19時。
子どもが家にいる時間の大半を、私は職場で過ごしていました。
不登校が始まったとき、母親として最初に考えたのは
- 「家にいれば、こうならなかった」
- 「子どもの変化に気づけなかった」
- 「学校からの連絡も取れない」
この罪悪感が、毎日私を苦しめました。
不登校で仕事を辞めるべきか悩む母親は、強い罪悪感を抱えがちです。
私は、フルタイム勤務の母親として働いていることが、子どもの不登校の原因なのではないか、という自責の念が止まりませんでした。
選択の罪悪感「仕事を辞めるべきか」
不登校への対応を考えるとき「仕事を辞める」という選択肢が、何度も頭をよぎりました。
母親として子どもに寄り添いたい気持ちと家計を支える責任の間で揺れ動く日々。
- 住宅ローンがある
- 生活費が必要
- 教育費もかかる
- でも子どもには付き添いたい
「仕事を辞めるべきなのか」
「でも辞められない」
この矛盾した気持ちが、さらなる罪悪感を生み出していました。
社会的罪悪感「母親なら家にいるべき?」
フルタイムで働く母親に対する、当時の周囲の視線も辛いものでした。
- 学校からの「お母さんがもう少し時間を作れれば」
- 親戚からの「やっぱり母親は家にいないと」
- 近所の人の「専業主婦なら防げたかもね」
不登校になったのは、フルタイム母親だからという視線が罪悪感をさらに深刻にしていました。
| 種類 | 具体的な思い |
|---|---|
| 時間的罪悪感 | 「私が家にいないからこうなった」「変化に気づけなかった」 |
| 選択の罪悪感 | 「辞めるべき?でも辞められない」家計と子どもの間で揺れる |
| 社会的罪悪感 | 「母親なら家にいるべき」という周囲の視線・言葉 |
「仕事を辞める」か続けるか?現実的な5つの選択肢

当時の私が真剣に検討した働き方の選択肢の比較
不登校が始まってから、私は「仕事を辞める」ことを含めて、何度も働き方について考え直しました。
| 選択肢 | 子どもへの影響 | 経済的影響 | 実現可能性 | 罪悪感への効果 |
|---|---|---|---|---|
| フルタイム継続 | 時間不足継続 | 影響なし | ◎ | 軽減されない |
| 時短勤務 | ケア時間確保 | 収入30%減 | △(制度なし) | やや軽減 |
| パート転換 | 大幅時間確保 | 収入70%減 | × | 大幅軽減 |
| 在宅ワーク | 見守り可能 | 変動あり | ×(当時不可) | 軽減 |
| 完全退職 | 完全フォーカス | 収入ゼロ | × | 最大軽減 |
結論:当時は仕事を辞める選択肢がなかった
家計を考えると、「仕事を辞める」ことは現実的ではありませんでした。
フルタイム母親として働き続けるしか選択肢がない状況で、罪悪感を抱えながらも働き続けることを決意しました。
今だから言えること—働き方の選択肢が広がった時代
私も今なら、在宅勤務を積極的に取り入れたりして、あんな思いをしないで済んだのに、と思います。
今は、在宅という選択肢が当たり前になって、恵まれているなと思います。
コロナ禍を経て、フルタイム母親でも、以下のような働き方が選択できるようになりました。
現在利用できる働き方(不登校対応に、より適している)
- リモートワーク・完全在宅勤務
- フレックスタイム制(子どもに合わせた時間調整)
- 時短勤務制度の拡充
- 副業・複業の容認
- 看護休暇の半日・時間単位取得
項目 当時(約10年前) 現在 在宅ワーク 一部のIT企業のみ 多くの企業で導入 フレックス制度 限定的 普及率が高まった 副業・複業 禁止企業多数 解禁する企業が増加 オンライン相談 ほぼなし 選択肢豊富、24時間対応も
当時の私のように「仕事を辞めるしかない」と思い詰める母親が、今は減っているかもしれません。
祖母がいたから「働きながら」乗り越えられた
不登校児母が働きながら—三世代同居の力
わが家の救いは、祖父母との二世帯住宅だったことです。
フルタイム母親として働きながら、不登校の子どもをサポートできたのは、祖母の存在が大きかったと感じています。
祖母が果たしてくれた役割:
- 子どもの専属カウンセラーのような存在
- 学校からの連絡対応(私の代理)
- 昼食の準備とケア
- 私への詳細な状況報告
- 母親である私の精神的支え
祖母がいなければ、仕事を辞める選択をせざるを得なかったかもしれません。
家族連携で可能になった「働きながら」のサポートチェックリスト
不登校の対応を可能にした家族の工夫:
役割分担の明確化
- 祖父母:平日日中の見守り・情緒的支援
- 父母(フルタイム母親):教育方針決定・専門機関連携
- 子ども:自分のペースでの回復
情報共有の仕組み
- 連絡ノートでの日々の様子共有
- 夕食時の「今日の報告タイム」
- 週末の家族会議
サポートメンバー 役割 チェック 祖父母・家族 見守り、学校からの連絡一次対応、子どもの話し相手 □ 学校 担任との情報共有、出席扱いの相談、学習支援 □ 父親母親 仕事と家計の調整、朝夕の声かけ、週末の時間確保 □ 外部支援 親の会、カウンセリング、スクールカウンセラー □
この体制により、フルタイム勤務を続けながらも、不登校への適切な対応ができました。
フルタイム母親が働きながらできた具体的サポート
限られた時間での効果的な子どもへの関わり
1.朝の5分間ルーティン
忙しい朝でも、必ず5分だけは子どもと向き合う時間を作りました。
短時間でも毎日続けることで、フルタイム母親としての罪悪感も少し軽減されました。
2.帰宅後の「つながりタイム」
家に帰ったら、先に15分だけ子どもの話を聞く時間。
子どもの気持ちに寄り添い、アドバイスより共感を重視しました。
3.週末の特別時間
土日は完全に、子どものペースに合わせて過ごしました。
フルタイムで平日時間が取れない分、週末は、質の高い時間を心がけました。
職場での理解確保—働きながらのサポート体制
1.上司への率直な状況説明
不登校に対応するために職場の理解が不可欠でした。
調整してもらった内容:
- 朝の出社時間を30分遅らせる(子どもとの時間確保)
- 緊急時の早退・遅刻への理解
- 重要な会議の時間調整(不登校関連の急な対応のため)
2.同僚への感謝とフォロー
働きながらのサポートには、同僚の協力も必要でした。
感謝を具体的に表現し、私にできることで他のメンバーをフォローする関係を築きました。
罪悪感との向き合い方—母親自身のメンタルケア
フルタイム母親の罪悪感を軽減する考え方
不登校になったのはフルタイム母親だからではないという事実を受け入れるまでに、時間がかかりました。
罪悪感軽減につながった考え方の変化:
1.「原因」から「対応」にフォーカス
- 「なぜ不登校になったか」より「今どうサポートするか」
- フルタイム勤務をやめても根本解決にならないと理解
- 母親ができることは限られている
2.「完璧な母親」を目指さない
- 働きながらでも十分な愛情は伝えられる
- 経済的安定も子どもにとって大切
- フルタイム母親だからこそできる支援もある
実践したセルフケア方法
1.日常の小さなケア
- 通勤時間を心の整理時間として活用
- 昼休みの短時間散歩(罪悪感から離れる時間)
- 夜の入浴時間の確保
2.専門的サポートの活用
- 月1回のカウンセリング(不登校対応の相談)
- 不登校の親の会への参加
- フルタイム母親同士の情報交換
不登校期間中の現実的課題と解決法
学校との連携の工夫
フルタイム母親が働きながら学校と連携する方法:
1.時間調整の工夫
- 月1回の定期面談を夕方に設定
- メールでの詳細情報共有
- 祖母による代理対応(軽微な連絡事項)
2.効果的なコミュニケーション
- 不登校の状況を具体的に報告
- 家庭での様子と学校での対応方針を共有
- 母親として譲れない点と柔軟に対応できる点を明確化
経済的負担への現実的対処
不登校対応にかかった実際の費用(一例):
- カウンセリング:10,000円
- 習い事など体験:8,000円
- 関連書籍・教材:3,000円
- 交通費(相談機関通い):2,000円
合計:約23,000円/月
フルタイム勤務を続けていたからこそ、これらの費用を家計から捻出することができました。
「仕事を辞める」選択をしていたら、経済的制約で子どもの選択肢を狭めていたかもしれません。
振り返って思うこと—フルタイム勤務を続けてよかった理由

子どもにとってのメリット
・経済的安定による選択肢の確保
フルタイム母親として働き続けたことで、不登校対応に必要な費用を確保でき、子どもの選択肢を狭めずに済みました。
・自立した母親像の提示
今の子供の働く姿をみていると、働きながら家庭を支える母親の姿は子どもにとって、将来の自立への良いモデルになったと感じています。
母親自身にとってのメリット
・アイデンティティの維持
フルタイム母親として、社会との接点を保てたことで「不登校の子の母親」だけでなく「働く女性」としてのバランスを保てました。
・罪悪感からの解放
結果的に、仕事を辞めることなく不登校を乗り越えられたことで「フルタイム勤務でも大丈夫だった」という自信につながりました。
・社会復帰への不安の回避
働きながら対応したことで、子どもの状況改善後もスムーズに日常生活に戻ることができました。
まとめ:フルタイム母親も罪悪感を手放して大丈夫
不登校の子を持つフルタイム母親として働きながら、この問題に向き合った経験から言えることは
- フルタイム勤務と不登校対応は両立可能
- 経済的安定は子どもにとってもプラス
- 働きながらでも十分なサポートはできる
- 不登校の原因はフルタイム母親だからではない
- 母親ができることには限界がある
- 完璧を求めず、できることから始めれば十分
- 家族、学校、専門機関を総動員
- 働きながらだからこそ、周囲の協力が重要
- 一人で抱え込まず、頼れるものは全て頼る
私も今なら、在宅ワークという選択肢があり、当時ほど、罪悪感に苦しまずに済んだでしょう。
今は、働き方の選択肢が格段に増えています。
その恵まれた環境を活用して「仕事を辞める」以外の選択肢も検討してみてください。
不登校は、フルタイム母親だけで解決するものではありません。
働きながらでも、適切なサポート体制があれば必ず乗り越えられます。
罪悪感に押しつぶされそうになったときは一人で悩まず、誰かに話してみてください。
あなたは十分頑張っています。


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