復職2週間前に行われた産業医面談
復職を控えた2週間前
私は産業医との面談を受けました。
最近はオンライン面談も増えていますが
当時、私の場合も
パソコン越しのやり取りでした。
時間はわずか10分ほどで
想像していたよりも簡単なものでした。
聞かれた内容は
以下のような、当たり障りのないものでした。
今どんな生活をしているか
薬や通院の状況はどうか
担当医は復職について何と言っているか
復職への不安はあるか
私は正直な気持ちを伝えたつもりでしたが
産業医は最後にこう言いました。
「これなら普通の勤務で大丈夫ですね」
あまりにもあっさりした言葉に
驚きと不安が入り混じりました。
「簡単に決めてしまっていいの?」
「本当に時短もなしで、大丈夫なのだろうか」
復職に向けての安心材料を求めていたのに
逆に、プレッシャーが強まってしまう結果になりました。
人事との復職前面談
次に待っていたのは
復職予定の1週間前に行われた人事との面談でした。
参加したのは、人事担当者2人。
彼らはすでに、産業医面談の結果を知っており
質問内容もほとんど同じでした。
「今どんな生活をしていますか?」
「復職に不安はありますか?」
「お薬や通院はどうですか?」
繰り返される問いに答えるたび
私は「形式的な確認なんだな」と感じました。
時短なし復帰への不安と交渉
面談の中で、人事から言われたのは
「1日目から通常勤務でお願いします」
という言葉でした。
これには正直、強い不安を覚えました。
復職直後からフルタイムで働くのは
心身に大きな負担になると想像できたからです。
そこで私は
思い切ってお願いしました。
「最初の1週間は
年休や時間休を使い
2時間ほど早く帰らせてもらえますか?」
幸い、その要望は受け入れてもらえました。
ほんの少しの調整でしたが
自分から声を上げることで
心の負担が和らいだ瞬間でした。
勤務報告日誌と新部署での現実
人事面談の最後に伝えられたのは
-
一定期間
勤務報告日誌を提出すること -
実際の業務は
新しい部署に行ってから決まること
でした。
「日誌なんて学生みたいだな」
と思いながらも
復職した自分の状態を振り返る
良いきっかけになるかもしれないと
前向きに受け止めました。
一方で
業務の詳細が分からないまま
復職日を迎えるのは不安そのもの。
新しい環境に適応できるのか
果たして自分に務まるのか
答えは当日まで分からないという状況は
とても心細かったです。
「いざとなれば辞めてもいい」が心の支えに
面談を通して感じたのは
会社や産業医の対応が形式的で画一的だ
ということでした。
復職する本人の気持ちや不安に
寄り添う雰囲気はなく
システムに則ったやり取りのみ。
ただ、その中でも私が救われたのは
「いざとなれば辞めてもいい」という
自分なりの心構えでした。
退職を視野に入れていたからこそ
私は追い詰められずに済んだのだと思います。
復職前面談を振り返って
今回の経験から学んだことは次の3つです。
-
産業医面談は形式的になりやすい
→ 短時間で「問題なし」と
判断されるケースも多い -
不安があるときは
自分から交渉する勇気が必要
→ 時短や配慮が難しくても
年休などを使って調整できる可能性はある -
自分なりの逃げ道を持つことが
安心につながる
→ 「無理なら辞める」という選択肢を
心に置いておく
復職に不安を感じるのは自然なこと。
むしろ、不安があるからこそ
自分を守る準備ができると言えるのかもしれません。
まとめ
産業医・人事との復職前面談は
私にとって期待したほどの
安心材料にはなりませんでした。
むしろ「形式的なやり取り」と
「時短なしでの復職」という現実に直面し
改めて、自分の無力さを感じた時間でした。
それでも、交渉したことで少しだけ
働きやすさを確保できたこと
そして「辞めてもいい」と割り切る気持ちを
持てたことは、大きな意味がありました。
復職はゴールではなく、新しいスタート。
不安を抱えたままでも
自分を守る工夫をしながら
前に進むことが大切だと実感しました。
コメント