中間管理職のストレスは人間関係の「割り切り」で激減する

中間管理職のストレスと人間関係を割り切る方法 中間管理職の悩み

この記事では、中間管理職が「橋渡し役」として動く中での難しさを書きました。

上司の意向を理解しつつ
部下の悩みにも寄り添う中間管理職


その役割を果たす中で、私は次のような疑問に直面しました。

具体的にどうコミュニケーションを取ればいいのか?
上司や部下と、どんな距離感で接するべきなのか?

答えが分からないまま動き続けるのは、気持ちが揺れる経験でした。そんなとき、私にとって大きな気付きがありました。
「人間関係は、割り切っていい」 そう思えるようになったことで、心がぐっと軽くなったのです。

👉 前回の記事はこちら:「中間管理職の橋渡し役はつらい?上司と部下の板挟み体験談」

 

「友達や家族」のように振る舞おうとしていた過去

かつての私は「みんなと仲良くしなければ」と思い込んでいました。
部下のことを理解したい一心で、休日の過ごし方や家族の話題にまで踏み込み、時には、飲み会の席で深い相談を受けることもありました。

最初のうちは「頼られている」「信頼されている」と前向きに受け止めていましたが、だんだん違和感が大きくなっていきました。業務時間外にもLINEが入り、個人的な悩みまで聞き続ける。気づけば、自分の時間も心も削られていました。
気づけば、自分のキャパシティを越えてしまい、「もう少しラクな関わり方はないだろうか」と考えるようになりました。


表面上は仲良くできているように見えても、心の中はストレスでいっぱいでした

「割り切る」と決意したきっかけ

人間関係を割り切ることで心が軽くなる瞬間を表現したイメージ

 

ある日、部下から「上司の愚痴を聞いてほしい」と呼び出されました。その日は自分の業務が山積みで、正直余裕はありませんでした。けれども、断り切れずに話を聞いてしまい、結局深夜まで仕事を持ち帰る羽目に。

その時ふと「私は部下の、友達でも家族でもない。上司として、仕事の枠を越えてまで抱え込む必要はあるのだろうか?」そう思ったのです。

さまざまな工夫をしても、人との関わりに揺らぎはつきものだと知りました。むしろ、私が「いい人」でいようとするほど状況は悪化していく。

そこで私は「友達でも家族でもない」と割り切ることを決めました。

この小さな決意が、その後の働き方を大きく変えることになりました。

 

「割り切り」がもたらした3つのメリット

1. 心が軽くなった
自分の感情と相手の感情を区別して受け止められるようになり、気持ちが少し軽くなりました。

以前は「部下が落ち込んでいたら何とかしなきゃ」「上司の機嫌を損ねないように」と常に神経をすり減らしていましたが、その後は「仕事上で必要なサポートはするけれど、それ以上は抱え込まない」と線引きできるようになりました。
その結果、自分の業務に集中できるようになったのです。

2. かえって信頼関係が築けた
意外なことに、割り切ったことで、部下や上司との関係が改善しました。
適度な距離感を持つことで、逆に「公平で冷静な判断をしてくれる人」と見てもらえるようになり、プロフェッショナルな信頼関係が生まれたのです。

以前の私は「親身に関わること=信頼されること」だと、勘違いしていました。でも実際は、感情的に巻き込まれない姿勢のほうが、周囲から安心感を持たれると気づきました。

3. 本音で話せるようになった
割り切ることで、むしろ部下から本音を話してもらえるようになりました。
「この人には必要以上に気を使わなくていい」と思われたのか、仕事の相談がスムーズに進むようになり業務効率も上がりました。

余計なストレスが減り、お互いにとって全な関係が築けるようになったのです。

 

割り切る前と後の心境の変化を比較したイメージ

項目 割り切る前(疲弊していた時) 割り切った後(心が軽くなった時)
人間関係 友達のように仲良くしなきゃと無理をしていた ビジネス上の関係と割り切れた
ストレス 相手の感情に過度に振り回されていた 自分の感情をコントロールできるようになった
コミュニケーション 雑談やプライベートな話で気を遣っていた 業務上のやり取りがスムーズになった
得られたもの 疲労感、孤独感 信頼、達成感

仲良くなることと信頼されることは違う

この経験を通じて気づいたのは「仲良くなること」と「信頼されること」は別物ということです。

仲良くなろうと、必死になる必要はありません。適度な距離感を持って誠実に仕事をしていれば、自然と信頼は生まれます。
「いい人」でいようと肩に力を入れる必要はなかったのです。

 

項目 仲良くなること 信頼されること
目的 互いに居心地の良い関係を築く 業務を円滑に進める、協力する
必要なもの 共感、プライベートな交流、共通の趣味 専門性、誠実さ、責任感、実行力
効果 居心地が良い、楽しい 仕事がスムーズに進む、協力を得られる

まとめ

健全な距離感で働くことで前向きになった中間管理職のイメージ

 

「割り切る」という考え方は、決して冷たい態度ではありません。むしろ、中間管理職として健全に働き続けるための大切なセルフケアです。

実際に私も「友達でも家族でもない」と考えるようになってから、自然と仲良くなれたり信頼されるようになったりしました。

だからこそ、今悩んでいるあなたにも伝えたいのです。

中間管理職は、関係づくりのプロフェッショナルでもあります。
無理をしすぎず、自分に合った距離感で、心地よく働ける日が来ますように。

 

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