復職初日の2週間前から
「本当に行けるだろうか」
「また体調を崩したらどうしよう」
そんな思いで、前日は何も手につかず
緊張のピークに達していました。
でも結果的に
私は初日に出社することができました。
それは、完璧に準備できたからではなく
「最悪の場合は辞めてもいい」
という、逃げ道を作っていたからです。
- 復職初日に
「行けない」と思った時の心の持ち方 - 実際に行けた私が
事前にやっていた5つの準備 - 当日朝「動けない」と感じた時の判断基準
- 万が一行けない場合の具体的な連絡方法
【実体験】「行けない」と思っていた復職初日の2週間前から当日まで
正直にお話しします。私は復職初日まで
「行けないかもしれない」と思っていました。
復職2週間前から募る不安
時期 | 主な状態 | よく起きたこと |
---|---|---|
2週間前 | 不安が頭から離れない | 夜中に目が覚める/罪悪感/動悸 |
1週間前 | 不安が増大 | 「行けないかも」の反芻/食欲低下 |
前日 | 緊張ピーク | 眠れない/シミュレーションが止まらない |
当日朝 | 体が重い・迷い | 「午前だけ」「辞めてもいい」の逃げ道で前進 |
なぜ当日、行けたのか
当日朝 、目覚ましが鳴った瞬間
体が重くて「やっぱり無理かも」と思いました。
でもそのとき
私は自分にこう言い聞かせていました。
「とりあえず行こう。
無理だったら午前中で帰ればいい。
最悪、今日で辞めてもいい」
この「逃げ道」があったからこそ
なんとか体が動きました。
実際に出社してみて
タイミング | 心境・状況 | 結果 |
---|---|---|
通勤電車 | 動悸で途中下車を何度も検討 | 「次の駅まで」を繰り返し到着 |
会社の前 | 足が震え玄関で停止 | 「5分だけ」で入館 |
上司面談 | 声が震える | 「無理しないで」で安心 |
午前中 | 周囲の目が気になる | 軽い業務→自分を褒める |
午後 | 強い疲労 | 定時退社を決断 |
帰宅後 | どっと疲労 | 「行けた」の実感と安心 |
完璧を目指さなくても
「とりあえず会社に行く」だけで十分です。
初日は完璧より、無事に終える。
会社に行けただけで100点です。
「行けない」と思った私が事前にやっていた5つの準備
完璧な準備ではなく
最低限これだけはやったことを紹介します。
復職初日に向けて、私は
完璧な準備などできませんでした。
でも、最低限これだけはやっておいたことが
当日の支えになりました。
1. 「逃げ道」を作っておく(最重要)
具体的にやったこと:
- 「午前中だけでもいい」
と決める - 「無理だったら辞めてもいい」
と自分に許可を出す - 「完璧じゃなくていい」
と何度も言い聞かせる
この「逃げ道」があったからこそ
追い詰められずに済みました。
2. 主治医・産業医に「不安」を正直に伝える
具体的にやったこと:
- 復職1週間前に主治医に
「行けるか不安です」と正直に話す - 産業医面談で
「短時間勤務から始めたい」と相談 - 「無理だったらすぐ連絡していい」
という安心材料をもらう
専門家に「不安でいい」「無理しなくていい」
と言ってもらえると、心が軽くなります。
3. 「やらないことリスト」を作る
完璧を目指すとプレッシャーで潰れます。
だから、あえて「やらないこと」を決めました。
やらないこと | 理由 | 代わりにやること |
---|---|---|
初日から残業 | 疲労蓄積は再発リスク | 定時で帰る |
休職理由の詳細説明 | 反芻で負担増 | 「ご心配おかけしました」で十分 |
完璧を目指す | 自己圧迫で崩れる | 「行けたら100点」 |
同僚との比較 | 自己否定に直結 | 自分のペースを守る |
何度も謝る | 相手が気疲れ | 1回の感謝+行動で示す |
4. 通勤ルートを一度練習する
具体的にやったこと:
- 復職前に
実際に会社の最寄り駅まで行ってみる - 満員電車の感覚を思い出す
- 「ここまで来られた」
という小さな成功体験を積む
いきなり当日に行くより
一度練習しておくだけで
心理的ハードルが下がります。
5. 前日は「何もしない」を許す
前日は緊張のピークで
何も手につきませんでした。
でも、それでいいと自分に許可を出しました。
前日にやったこと(やらなかったこと)
- 完璧な準備をしようとしない
- 眠れなくても「横になるだけでOK」と決める
- 明日のシミュレーションを無理に止めない
前日の詳しい過ごし方は
復職前日の準備で不安を半減させる方法で解説しています。
当日朝「動けない」と感じた時の判断基準
「行けるか/行けないか」をどう判断するか
具体的な基準を示します。
当日朝、「やっぱり無理かも」と思うのは
自然なことです。大切なのは、無理をしないこと。
「行けるかどうか」の判断フローチャート
迷ったら「とりあえず次のステップまで」を試す。
でも無理だと思ったら、すぐに引き返してOK。
これは逃げではなく
再発を防ぐための正しい判断です。
「休む」判断をすべきサイン
種類 | 主なサイン |
---|---|
身体的サイン | ・動悸・吐き気が強く、水も飲めない ・めまいや冷や汗が止まらない ・呼吸が浅く、息苦しさを感じる |
精神的サイン | ・涙が止まらない ・「死にたい」と思う ・パニック状態で何も考えられない |
これらのサインが出たら、無理せず休む
そして必ず主治医に連絡してください。
万が一「行けない」場合の連絡方法|完全テンプレート
いつ、どの手段で、何を伝えるべきか。
実例テンプレート付きで解説します。
当日朝、どうしても行けないと判断した場合
最も重要なのは「速やかに、誠実に伝える」ことです。
連絡のタイミングと手段
ベストタイミング:
始業30分~1時間前
連絡手段の優先順位:
順位 | 手段 | 推奨タイミング | 使用場面 | 要点 |
---|---|---|---|---|
1位 | 電話 | 始業30〜60分前 | 基本はこれ | 誠意+次の一手(再調整の意志) |
2位 | メール | 電話不通時すぐ | 補足・記録 | 簡潔・丁寧・事実のみ |
3位 | チャット | 社内ルール次第 | 速報・既読 | 電話/メールと併用 |
【電話】連絡テンプレート
【基本パターン】
お疲れ様です、〇〇です。
本日復職予定でしたが、朝から体調がすぐれず
出社が難しい状況です。大変申し訳ございません。
復職日については主治医とも相談のうえ
改めて人事部(または上司)に
ご相談させていただきたいのですが
よろしいでしょうか。
【メール】連絡テンプレート
件名:復職初日の欠勤のご連絡(氏名)
〇〇部長(または担当者名)
お疲れ様です、〇〇です。
本日復職予定でしたが、体調がすぐれず
出社が難しいため、お休みをいただきたく
ご連絡いたしました。
ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
復職については、主治医および産業医と相談のうえ
改めて日程調整をさせていただきたく存じます。
よろしくお願いいたします。
連絡の3原則
- 簡潔に状況を伝える
(詳細な症状の説明は不要) - 謝罪と感謝を忘れない
- 次のステップを示す
(再調整の意志表明)
「復職初日に行けない=失敗」
ではありません。
むしろ無理をして再発するより
体のサインを受け止めて
調整した方が長期的には正解です。
不安を和らげるセルフケア|私が実際にやったこと
復職初日の不安は誰にでもあります。
私も2週間前から不安でしたが
最低限これだけはやりました。
1. 不安を書き出して「見える化」する
頭の中でぐるぐるしている不安を
紙に書き出すだけで、少し心が落ち着きます。
私が書き出した不安:
不安の内容 | 起こる確率(%) | 具体的対処法 |
---|---|---|
初日に行けない | 50 | 連絡して再調整/午前のみ出社 |
同僚に迷惑と思われる | 40 | 初日に感謝と挨拶を一言 |
体調を崩す | 30 | 無理なら帰宅/医師に相談 |
仕事についていけない | 60 | 分からないことは素直に質問 |
やり方:
- A4用紙を用意
- 思いつく不安を箇条書き
- 各不安の「確率」と「対処法」を書く
- 「対処法がある」
と分かるだけで安心感が生まれる
2. 4-7-8呼吸法で緊張を和らげる
呼吸法で自律神経を整えます。
手順:
- 4秒かけて鼻から息を吸う
- 7秒間息を止める
- 8秒かけて口からゆっくり息を吐く
- これを3~4セット繰り返す
前日夜や当日朝に実践すると
過剰な緊張が少し和らぎます。
3. 「最悪のシナリオ」を受け入れる
私の場合は、一番効果があったのは
「最悪の場合は辞めてもいい」
と決めたことです。
具体的な思考プロセス:
- 「行けなかったらどうしよう」
→「行けなかったら再調整すればいい」 - 「また体調を崩したらどうしよう」
→「崩したら休めばいい」 - 「もうダメだったら」
→「最悪、退職という選択肢もある」
この「逃げ道」があるだけで
追い詰められずに済みます。
知恵袋に頼る前に知っておくべきこと
「復職 初日 行けない 」と検索する気持ち
よく分かります。私も何度も見ました。
ネット情報(知恵袋・SNS)の注意点
メリット | デメリット |
---|---|
同じ悩みを持つ人の体験談で「自分だけじゃない」と安心できる | 匿名情報は信頼性が不確実 |
様々な対処法のアイデアが得られる | 極端な体験談が不安を煽ることも |
孤独感を軽減できる | 自分の状況と異なるケースが多い |
※知恵袋やSNSは参考程度にとどめ
判断は必ず専門家に相談しましょう。
情報の信頼性を見極める3つのルール
1. 一次情報を優先する
情報の種類 | 信頼できるソース | 確認場所の例 |
---|---|---|
復職支援制度 | 厚生労働省・労働局 | jsite.mhlw.go.jp |
医学的情報 | 医療機関・学会 | 大学病院・学会公式HP |
労働法規 | 労基署・公的機関 | 労働基準監督署HP |
2. 複数の情報源を比較する
一つの体験談を鵜呑みにせず
少なくとも3つ以上の情報を比較。
3. 専門家の意見を最優先する
主治医、産業医、カウンセラーなど
あなたの状況を知る専門家の助言が最も重要です。
復職支援制度を最大限活用する方法
多くの企業には
復職を支援する制度があります。
主要な復職支援制度の比較表
制度名 | 内容 | 期間の目安 | メリット | 相談先 |
---|---|---|---|---|
試し出勤制度 | 短時間で出社練習 | 1〜2週間 | 心理的負担を段階的に軽減 | 人事・産業医 |
短時間勤務 | 4〜6時間から開始 | 1〜3ヶ月 | 体力回復に合わせられる | 上司・人事 |
業務軽減措置 | 負荷の軽い業務から | 1〜2ヶ月 | 自信を取り戻しやすい | 上司・産業医 |
産業医面談 | 定期的な体調チェック | 月1〜2回 | 客観的助言が得られる | 産業保健 |
EAP相談 | 外部カウンセリング | 必要に応じて | 社内に知られず相談可 | 人事経由 |
制度活用の3ステップ
ステップ | 内容 |
---|---|
STEP1 | 就業規則や社内イントラで利用可能な制度を確認 |
STEP2 | 人事部または産業医に「〇〇制度を利用したい」と相談 |
STEP3 | 主治医の診断書・意見書を添えて申請 |
重要: 「制度を使う = 迷惑」ではありません。
これは企業が用意している正当なサポートです。
よくある質問(FAQ)|復職初日の不安を解消
Q1復職初日を休んでも大丈夫?解雇リスクは?
A: 初日の欠勤だけで即解雇されることは
法律上ほぼありません。
ただし、速やかな連絡と誠実な対応が前提です。
必須対応:
- 始業前(30分~1時間前)に連絡
- 主治医の診断を受ける
- 人事部・産業医と復職時期を再調整
休む判断は後退ではなく
再発防止のための戦略的な一歩。
誠実に対応すれば
ほとんどの企業は再調整に応じてくれます。
Q2復職初日に行けない時の連絡は何分前が適切?
A: 始業30分~1時間前がベストです。
これより早すぎると、相手が確認できず
遅すぎると業務に支障が出ます。
電話が最優先、つながらない場合は
メールで補足しましょう。
連絡手段の優先順位:
- 電話(直属上司または人事部)
- メール(記録として残す)
- チャット(社内ルールで認められている場合のみ)
Q3眠れない夜はどう対処?2時間睡眠でも行ける?
A: 私も前日は、ほとんど眠れませんでしたが
なんとか出社できました。
眠れない夜の対処法:
- 「8時間寝なきゃ」と焦らない
- 布団で横になるだけでも体は休まる
- 呼吸法で自律神経を整える
Q4短時間勤務や試し出勤は誰に相談?手順は?
A: 人事部または産業医に
相談するのが最短ルートです。
相談・申請の3ステップ:
- 就業規則で利用可能な制度を確認
- 人事部に「短時間勤務を希望したい」と相談
- 主治医の意見書を添えて正式申請
私も産業医面談で
「最初は短時間勤務から」と相談しました。
→詳細は復職前の産業医面談で成功する交渉術|時短勤務・年休活用の実践例
休む判断をした場合のリカバリープラン
万が一、復職初日を休んでしまっても
それは「終わり」ではなく
「より慎重なスタート」への転換点です。
当日にすべき3つのこと
1. 主治医に連絡(最優先)
- 状況を説明し、復職時期の再検討を依頼
- 診断書の更新が必要か確認
- 次回診察の予約
2. 職場への丁寧な経緯報告
- 人事部または上司に改めて連絡
- 「〇日後に再度相談させてください」と見込みを伝える
3. 自分を責めない
- 「行けなかった = 弱い」ではない
- 「体が教えてくれたサイン」と受け止める
- 罪悪感は自然な感情だが、事実ではない
タイミング | やること | ポイント |
---|---|---|
当日 まず | 主治医へ連絡 | 再調整の可否と診断書確認 |
当日 次に | 職場へ経緯報告 | 簡潔+誠実+見込み |
当日 最後 | 自己否定を止める | 体のサインに感謝 |
再スタート術:準備ステップ
【1週間以内】
- 主治医・産業医と復職プランを再検討
- 試し出勤や短時間勤務の活用を相談
- 生活リズムを整える(起床・就寝時刻を固定)
【復職1週間前】
- 通勤経路の練習(実際に電車に乗ってみる)
- 初日の挨拶を簡単にシミュレーション
- 「やらないことリスト」の作成
【復職前日】
- 早めに布団に入る(眠れなくてもOK)
- 「完璧じゃなくていい」と自分に言い聞かせる
- 翌日の持ち物・服装を準備
期日 | 準備ステップ | 目的 |
---|---|---|
1週間以内 | 医師・産業医と再検討/短時間勤務の相談 | 安全な再開ラインの設定 |
復職1週間前 | 通勤練習/挨拶シミュレーション/やらないリスト | 心理的ハードルを下げる |
前日 | 早め就寝/完璧を手放す/服・持ち物準備 | 当日実行のみの状態に |
まとめ:「行けない」と思っても、逃げ道があれば行ける
復職初日は多くの人が「最大の壁」と感じます。
1. 「行けない」と思うのは異常じゃない
2週間前から不安になるのも
前日に眠れないのも、自然な反応です。
2. 「逃げ道」が一番の支え
「午前中だけ」「無理なら辞めてもいい」
という逃げ道があれば、意外と体は動きます。
3. 完璧を目指さない
初日は完璧より無事に終えること
会社に行けただけで満点です。
4. 行けなくても失敗じゃない
「復職初日に行けない=失敗」
ではありません
むしろ体のサインを受け止めて
再調整する方が、長期的には正解です。
5. 専門家と相談しながら進める
主治医、産業医との定期的な相談が
復職成功の鍵です。
あなたへのメッセージ
私は復職初日まで、ずっと
「行けないかもしれない」と思っていました。
前日は何も手につかず、当日朝も
「やっぱり無理かも」と思いました。
でも、「最悪辞めてもいい」という
逃げ道があったからこそ、なんとか行けました。
そして今、ライターとして発信を続けながら
カウンセリングの学びを深めています。
あの復職の経験が、今を支える土台になりました。
あの日の不安は、決して無駄じゃなかった。
むしろ「無理をしない」という大切なことを
体が教えてくれたのです。
たとえ今日、一歩を踏み出せなくても
明日また挑戦できます。
復職は何度でもやり直せます。
あなたの復職は、きっと大丈夫です。
私は心からそう信じています。
次に読むとよい関連記事
復職の不安をさらに軽減するために
以下の記事も、ぜひご覧ください。
- 復職前日の準備で不安を半減させる方法
– 前日の具体的な過ごし方(私の実体験) - 【体験談】復職初日の様子と感じたこと
– 実際の初日の流れを時系列で - 復職後1週間で安心を取り戻すコツ
– 初日を乗り越えた後の過ごし方 - 産業医との面談の進め方(事前準備)
– 復職相談を有意義にする方法
※本記事は筆者の経験と一般的な情報提供を目的としています。
個別の医療判断や法律相談については、必ず専門家にご相談ください。
コメント