はじめに:あなたの心の声を聞いてください
「会社に行こうとすると涙が出る」
「電車に乗るのが怖い」
「デスクに座っているだけで泣けてくる」
もしあなたが今
このような感情を抱いているなら
どうか一人で抱え込まないでください。
これらは決して
「甘え」や「弱さ」ではありません。
あなたの心が
限界を越えそうになっているサインなのです。
私自身が適応障害と診断され
休職するまでの道のりは、職場のパワハラと
自分に合わない仕事環境が積み重なった結果でした。
振り返れば、もっと早く
自分の心の声に耳を傾けるべきだったと思います。
この記事では、私の実体験として
どのような職場環境にいて
なぜ心が限界を迎えたのかを
できる限り詳しくお伝えします。
もし今辛い状況にあるなら
以下のことを覚えておいてください。
あなたの責任ではありません・心が限界を迎えているサインを
見逃さないことが大切です
・助けを求めることは、勇気ある行動です
第一章:パワハラ上司から逃れるための異動 – 最初の試練
日常的なパワハラが当たり前の職場
私がもともと働いていた部署では
日常的に部下を怒鳴りつける上司がいました。
その光景は
「普通のこと」として扱われていたのです。
具体的なパワハラの内容:
- 大声での叱責が週に3-4回
(他の社員の前で) - 私だけでなく同僚も
涙を流すまで怒鳴られる - 私に対しては
「やっていないこと」を本室に報告される - 信用を失わせるような
虚偽の報告を繰り返される - 人格を否定するような暴言を
日常的に浴びせられる
当時の私は
「社会人としての厳しさなのかもしれない」
と自分に言い聞かせていました。
しかし、同僚が泣かされる姿を見るたびに
危機感が、日に日に強くなっていったのです。
勇気を振り絞った人事への相談
限界を感じた私は、思い切って
人事部に相談することにしました。
相談をためらっていた理由:
- 「告げ口をしている」と思われるのが怖かった
- 「自分が弱いだけ」と判断されるかもしれない不安
- 相談したことが上司にバレるリスクへの恐怖
- キャリアに悪影響があるのではないかという心配
それでも、限界を感じていた私は
人事に異動を希望しました。
幸い、人事担当者は私の状況を理解してくれ
事務職への異動が決まったのです。
その時は「これで安心できる」と
心から安堵しました。
新しい環境で、穏やかに働けると信じていたのです。
第二章:束の間の平穏と予想外の展開
異動先での最初の安心感
異動した直後は、環境がガラリと変わり
本当に平穏な日々が続きました。
「やっと普通に働ける環境に来られた」と
心から感謝していました。
悪夢の再来:パワハラ上司の追跡
しかし、この平穏な日々は
長く続きませんでした。
その後、信じられないことが起こったのです。
なんと、以前の部署でパワハラをしていた
上司本人が、私の異動先にやってきたのです。
人事異動の発表を聞いた瞬間
私の心は凍りつきました。
第三章:適応障害の原因となった再びのパワハラ
エスカレートするターゲット行動
その上司は、なぜか私にだけ
攻撃の矢を向けてきました。
今思えば、私が人事に相談したことを
根に持っていたのかもしれません。
具体的なハラスメント行為:
1. 業務妨害的な行動
- 仕事のことを質問しても完全に無視される
- 必要な情報を意図的に教えてもらえない
- 間違った指示を出して
後で責任を押し付けられる
2. 人格攻撃
- 「ばか」「役立たず」と罵られる
- 暴言
- 他の社員の前で
故意に恥をかかせる言動
3. 職場での孤立化工作
- 「こいつ(私)と話すと左遷させられるぞ」
と同僚に告げる - 会議から故意に除外される
- 同僚との会話を妨害される
ハラスメントで逃げた先に
また同じ上司が現れるという絶望的な状況。
心のストレスは
雪だるま式に大きくなっていきました。
適性の不一致が生むさらなるストレス
パワハラに加えて、もう一つ
大きなストレス要因がありました。
それは、業務内容と自分の適性の大きな不一致でした。
事務職で感じていた困難:
- 数字の処理でのミスが頻繁に発生
- ルーティンワークへの強い飽きと苦痛
- 自分の能力が活かされていない虚無感
「パワハラからは逃げられない
仕事も上手くいかない
自分には価値がないのかもしれない」
このような負のループに陥り
毎日が辛くて仕方ありませんでした。
第四章:希望を託した人事への相談と裏切り
再度の人事相談:最後の希望
限界を感じた私は、再び
人事担当に相談することにしました。
この時の私は、本当に追い詰められていました。
人事担当者は私の話を聞いてくれ
「春の異動で必ず異動させるので
それまで待ってほしい」と
約束してくれました。
希望にすがって耐えた日々
その約束を聞いた時
私は心の底から安堵しました。
「あと数ヶ月我慢すれば、この地獄から抜け出せる」
と自分に言い聞かせ、心療内科に通院しながら
なんとか日々を乗り切ろうと必死でした。
毎日、カレンダーを見ては
「あと○日」と数えながら
必死に耐え続けていたのです。
信じていた約束の裏切りと心の崩壊
そして迎えた春の人事異動。
私は期待と不安を胸に
人事からの連絡を待っていました。
しかし、人事担当者から告げられたのは
私の心を、完全に砕く内容でした。
「空きがないから異動させられない」
「いつ異動できるかも約束できない」
この言葉を聞いた瞬間
私は言葉を失いました。
私は、かろうじて保っていた
心の支えを完全に失い、ショックで心が折れました。
適応障害の症状は一気に悪化し
翌日から出社できなくなったのです。
第五章:適応障害のサインと私が見逃した警告
見逃していた心と体からのSOS
今振り返れば、適応障害の症状は
数ヶ月前から、すでに現れていました。
当時の私は、これらの症状を
「一時的なもの」「乗り越えるべきもの」
と捉えていたのです。
初期症状として現れていたサイン
身体的症状:
- 朝、会社に行こうとすると涙が流れる
- 通勤電車に乗ると動悸が激しくなる
- 慢性的な頭痛と首・肩の痛み
- 眠れない日が週の半分以上
精神的症状:
- 休日も仕事のことばかり考えて憂鬱になる
- 些細なことで涙が出てしまう
- 「自分はダメな人間だ」という強い自己否定
- 将来に対する希望が持てない
行動の変化:
- 友人との約束をキャンセルする
- 趣味への興味を完全に失った
- 家族に強い怒りを感じて怒鳴る
それでも私は
「異動があるから大丈夫」「もう少し我慢すれば」
と自分に言い聞かせ
これらの症状を無視し続けてしまったのです。
▶ あなたの心と体のサインをチェック:適応障害の初期症状セルフチェック
なぜ症状を見逃してしまったのか
症状を軽視してしまった理由:
1. 社会的なプレッシャー
- 「みんな辛いのは同じ」という思い込み
- 「休むのは甘え」という職場の雰囲気
- 「強くならなければ」というプレッシャー
2. 知識不足
- 適応障害について詳しく知らなかった
- メンタルヘルスに関する情報が不足
- 「うつ病」との違いが分からなかった
3. 希望的観測
- 「環境が変われば良くなる」という期待
- 「一時的なもの」という楽観的な判断
- 専門家に相談することへの抵抗感
今思えば、もっと早い段階で心療内科を受診し
適切な治療を受けるべきでした。
症状が軽いうちに対処していれば
ここまで悪化することはなかったかもしれません。
第六章:適応障害で休職することは「弱さ」ではない
自分を責め続けた休職初期
休職を決めた当時、私は毎日のように
「自分は弱いのではないか」
と自分を責めていました。
特に以下のような思考に支配されていたのです:
当時の自己否定的な思考:
- 「他の人は同じ環境でも頑張っている」
- 「自分だけが特別弱いのではないか」
- 「会社や家族に迷惑をかけている」
- 「社会人として失格なのかもしれない」
この自己否定的な思考は
回復を大きく妨げていました。
休職していても
心が全く休まらない状態が続いていたのです。
客観的に見た私の置かれていた状況
しかし、カウンセリングを受け、時間をかけて
自分の状況を客観視できるようになった今
はっきりと言えることがあります。
私が直面していた状況を整理すると:
1. 複合的なストレス要因
- パワハラ上司からの継続的なハラスメント
- 自分の適性と全く合わない業務内容
- 職場での孤立化工作
- 人事からの約束の裏切りによる絶望感
2. 長期間にわたる心理的負荷
- 最初のパワハラの継続的ストレス
- 異動しても追跡されるという逃げ場のない状況
- 希望を託した人事からの期待の裏切り
3. 支援体制の不備
- 職場でのハラスメント防止策の不足
- 人事による適切なフォローアップの欠如
- メンタルヘルス支援体制の未整備
これだけの要素が重なれば
誰であっても、心を壊してしまうのは当然です。
これは決して
個人の「弱さ」の問題ではありません。
適応障害は「環境」の病気
心療内科の先生から教えていただいた言葉で
私の心が軽くなったものがあります。
「適応障害は
あなたの弱さが原因ではありません。
環境とあなたの間に生じた
不適合が原因の病気です。」
この言葉を聞いた時
長い間自分を責め続けていた気持ちが
少しずつ和らいでいきました。
他にも心療内科の先生に言われたこと:
休職は「弱さ」ではなく、必要な治療期間だと
今は心から思えるようになりました。
まとめ:あなたは一人じゃない – 次に踏み出すべき一歩
私の適応障害に至った複合的な要因
振り返ってみると
私が適応障害で休職に至った理由は
単一の原因ではありませんでした:
主な要因:
- 職場でのパワハラの継続
(最も大きな要因) - 自分の適性と合わない事務職への異動
- 職場での孤立化工作による心理的負担
- 人事を信じて待った末の約束の裏切り
(決定的な引き金)
これらが複雑に絡み合い
私は、心の限界を超えてしまったのです。
今、同じような状況にあるあなたへ
もし今、あなたが
職場環境やパワハラで苦しんでいるなら
どうか以下のことを覚えておいてください。
絶対に自分を責めないでください
あなたが今日からできる具体的な行動
1. 自分の状態を客観視する
- 心と体の症状をチェックリストで確認する
- 日記を付けて自分の状態を記録する
- ストレス要因を具体的にリストアップする
2. 専門家への相談を検討する
- 心療内科やメンタルクリニックの受診
- 会社のカウンセリングサービスの利用
- 労働局の相談窓口への相談
3. 支援ネットワークを活用する
- 信頼できる家族や友人に状況を話す
- 同じような経験をした人とのつながりを探す
- オンラインのサポートコミュニティへの参加
4. 自分の権利を知る
- 労働者の権利について正しい知識を身につける
- ハラスメントの相談窓口を調べる
- 休職制度について人事に確認する
最後に:希望を持ち続けてください
私の体験談が、少しでも
あなたのお役に立てれば幸いです。
適応障害で休職した経験は
確かに辛いものでした。
しかし、この経験を通じて
自分自身をより深く理解し
本当に大切なものが何かを学ぶことができました。
あなたの人生は
今の辛い状況がすべてではありません。
必ず道は開けます。
そして、同じような経験をした私たちが
あなたを支えています。
この体験談シリーズについて
この記事は
適応障害で休職から復職するまでの全過程をまとめたシリーズの第一部です。
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